トゥクトゥク乗車(後編)

「どこ行きたい?」、「・・食べたい」、「レストラン?」、「NO、安いとこ。牛肉の串焼きがいいな」(串を食べるゼスチャーをする)、「・・・分かりました」(ほんとかね)、ぐるぐる街中を右左折する。(腹減ってんだけど)さすがに屋台などは「お抱え」はないようで、ただ駐車できる店を探しているようだった。まもなく程よい通りの道端で、串を焼いている店を見つけ、「コレ」と指をさし二人で中へ入った。(もちろん一緒にと誘った)
「牛の肉とは判断つかない」串と野菜炒めが二人分でてきた。「いただきま〜す」決してうまい肉ではなかったが、腹が減っているので「ノープロブレム」です。(いつも「空腹はご馳走なり」です)
彼はいろいろと「個人情報」を訊いてくるが、パーソナル情報は適当に答え、「今後の予定」はなぜか正直に答えてしまった。(しまった、、)「シェムリアップには友達がいます。バスまでピックアップを頼むことできます」(そう来たか。「仲間」で客を独占しようって訳か商売だね・・・これはミステイクでした)適当に話を合わせたが、彼はエージェントとしての業務を淡々と説明してくれた。
「次どこいきますか」(あの〜貸切タクシー頼んだ覚えは・・・、)「ガン打てるよ。(銃を打つ真似をする)キリングフィールド、トゥールスラエン。プノンペン来たらみんな行くよ」、「・・・。」(なぜか答えられない。俺はキリングフィールドへ行くつもりではなかったのか?)でもなぜかトゥクトゥクに乗せられて行くのは違う気がして判断に迷うのであった。しかも既に3時近い、ここから片道40分程の所であり、空も怪しくなってきた。「・・・じゃ、キリングフィールドオンリーで」(この後昨日に続き土砂降りになるとは思いもよらず・・・、)
市街を抜けモニレス通りをひたすら南下します。広い一本道を進みますが、30分経つ頃にはなにやら不穏な風が吹いてきました。前方は黒い雲に覆われています。(昨日の状況がよぎります)3時半到着。さすがに観光地だけあって西洋人の姿が多いです。〔入場料2$〕王宮の屋根の形をした慰霊塔が目を引きます。超狭い通路を入ると中には8985個の頭骨が堆く積まれていた。(・・・、来てしまいました。初めて目にする「生のポルポト時代」です。本物のシャレコウベが埋葬もされず展示してあることに実感はありません。「彼ら」に触れてみても「記憶」は伝わってきません。(お触り禁止ですが)・・・「合掌」。日本のNPO団体による千羽鶴も掛けられていました。(安らかにお眠り下さい。
塔を出るとやはり雨が降っていました。周辺に散在する処刑場跡を駆け足で巡り、少々別れおしいですが切り上げる事にしました。ヴィスナ(ガイド)さんが傘を用意してくれましたが退散です。本降りになってきました。
昨日に続き雨です。「トゥクトゥク」屋根はあってもこんなオープンな「客車」では濡れるなと思っていたら、良く出来ています。「御簾」のようなビニールの「幌」が付いていたのです。くるくると下ろし、前も側面もスッポリ、ビニールハウスみたいです。(これはいい!)ドライバーはと云えば合羽を着ています。(オールウェザー対応です。しかしこの雨、走行しているので幌の隙間からもシャワーのように入ります。結局足元を傘でガードする始末。(全く雨に祟られています。ガイドはどうにも「トゥールスレン博物館」を僕に観せたいらしく、帰路を変更してくれたようなのですが、天気の良い時に観たかったので、断りました。(こんな時は意外と保守的なんです)雨と暗さでどこをどう通ったか分かりませんが、あるT字路を左折するとそこは全面冠水していました。深さ15cm以上あるでしょうか、「客車」の床スレスレです。スクーターのタイヤ半分が浸かっています。(大丈夫か?)と思った途端エンジンが停止。(・・・、)幌の窓から後ろを見ると、「ここは川の中?」僕らもしかして「立ち往生?」何度かスターターをキックしてようやくエンジンがかかり、ソロソロと進むことが出来たのです。路面に勾配があり、水深も浅くなったのでなんとか脱出です。(貴重な体験でした。(・・・。
(・・・やはり「乗った」のは間違いのようでした。 
(ようやく「BOOK2」読み終えました。