西塔門テラスへ

「彼ら日本人ですよ、」リーさんは彼らの後をつけると声をかけた。「日本の方ですか?」、「・・あハイ」、僕も近づき「コンニチワ」と、久し振りの日本人です。ここは「本拠地」なので、日本人観光客も多いと思いますが、直接コンタクトをとるのは初めてです。
Tシャツの袖を肩までまくった背の高いグラサン兄ちゃんと、鼻声で黒Tシャツの韓国風あんちゃんのコンビです。(大学生でしょうか)「ツアーか何かで?」、「いえ、タイからバスで来ました」と、(彼らもバックパッカーです)ガイドのリーさんは「お客さんは明日どちらへ行かれますか」と早速営業開始です。・・・が、俺の予定はどうなるのか・・・、(日本語正しく習った?
結局リーさんは彼らを明日「日の出見学とベンメリア遺跡『天空の城』(11月17日記事)参照』のツアーガイドを獲得したのです。(・・・、よく分からない。・・・この後俺を田舎へ連れて行き、一緒に泊まる。・・・だが、翌朝早く彼らを迎えに行き、「日の出」を見せて、ベンメリアへ連れて行く。・・・俺は田舎へ残される?・・・分からん、)ま、旅は「道連れ」、なるように任せましょう。(・・・。)
「二人」とはその場で別れ、西塔門テラス前まで来ると・・・、「オーマイガッ(・・・、)」4体のシンハが迎えるこの階段テラスは、『階段の前で全てが消える』という演出がなされている二つ目の「魅せ場」なのである。前回はツアー参加だったため、ここは通らず、聖池を外回りして第一回廊へ向かったため体感出来ずにいたのだ。今回こそ「一人でここから進入してやる」と意気込んでやってきたのだが・・・、「修復工事中(足場とブルーシート)」で進入禁止、(しかも木製の観光用階段が造られている。(・・・また・・か、今朝の悪夢の正体はこれだったのか・・・。)アンコールワットは常に修復中であることは承知の上だが、「足場」に阻まれるとは思いも因らなかった。(・・アクシデントもまた旅のうちとは云うものの、
その後「十字回廊」、「第一回廊」とリーさんのガイドは続き、(今一つ自分のペースではないのだが)いよいよ第三回廊の下(尖塔部分の麓)へやってきました。絶壁のような階段が待ち構えています。しかし、壁をよじ登る人の姿がありません。(進入禁止の看板!)観光客がたむろする辺りへ進むとその意味が分かりました。(・・・。)「新しい階段」が造られていたのです。(・・これか)修復工事と並行して行われている安全対策です。もともと「人が下りられるように造られていない階段」なので、観光客が増えた現在、「不特定多数が利用する施設」に「手を入れない事」が出来なくなったようだ。事実、過去落下事故が何度かあったらしい。・・・しかし、この手摺り付きの階段は、本来王のみが君臨する「神への頂き」を極端に近づけてしまったようだ。先程の西塔門テラスに続き、正直「無念」である。「階段は登るためにある」という「僕の旅の中心」からすれば、「上りやすく加工されたもの」は僕の云う「階段」ではない。(・・・安全より見た目を気にするデザイナーではいけませんねww
(「再登山」を夢みて向かった第三回廊を目前にして、、