再び手食

旅の楽しみの一つに「食事」が挙げられますが、僕の場合「こだわる」どころか「食」にあまり執着がありません。どちらかと云えば「腹を塞げばよい派」です。
さて今宵は何を食べましょうか。・・といっても闇雲に歩くと「ハズレ(不思議と食い物屋探しに迷うと必ず良くない結果に)」が多いので、ガイドブック掲載店を当ろうと思います。インドではありませんが、今日はなぜか身体がカレーを欲するので、近くにあった「ロイヤル・インディア」というプノンペンでは歴史ある、インド人によるカレー屋にしてみます。(行ってみましょう)
夜の街は打って変わり、「暗い」です。明かりといえば「店の灯り」のみで、街灯がないからです。(・・・。)一つ西の通りを下った中程にあるその店は、「門構え」が良く、二又の立て看板に写真入りのメニューが灯っていました。(ここだ。
手前のオープン席を加えても40席あるかないかの小さな店で、「ビニールクロス」の敷かれた昔ながらの食堂だった。席へ着くと「難しそうな爺さん」が出てきました。(店主ですね)・・・「インドへ来た?」のだから「ターリー(インドの定食)」をと考えていたのだが、一人いた先客のテーブルを見て断念したのです。(量が多い)山盛りご飯に大判の「ナン」です。・・・単品にしました。
メニューの上から2段目にあった「チキンマサラカリー」にライスをオーダー。年の如く調理もゆっくりのようでかなり待たされましたが、初めて嗅ぐようないい香りのカレーです。もちろん『手食』です。遅れて漬物を届けに来た店主は無表情でしたが、隣りの外人さんはチラチラと、(なんだこいつ?ってか
まだ指に熱いですが、このカレーめちゃくちゃ旨いです。(インドで1週間もカレーを食べましたが、こんな味には巡り会いませんでした。(うめー)コロコロしたチキンと数種の野菜を絡めとるこの触感。カレーこそ手で食べるものであることを実感します。ご飯もインディカ米でべたつきがなく、釜の香りがして美味いです。漬物はインドでは定番のウリと人参のスライスです。ライムを搾り頂きます。量的には十分ですが、「ナン」も食べたくなりますね。
大満足の食事だったのですが、一つ残念な点があったのです。この店主、「西洋人と扱いに差をつけた」のです。(考え過ぎかな)彼(隣りの外人)が食事を終えると、「まもなく」皮のケースに挟んだ清算書を届けにきたのに対し、僕が食事を終えても一向に「お代の意思表示」がないのです。それどころか、新客の応対へ移っているのです。(・・・、)埒が明かないので、給仕の女の子(一人いた)に指をXに掛け「ソーム・クッルイ」と会計を頼んだ。・・・またしばらく待たされた後、「年老いた店主」が「5$」と「言っただけ」だった。(何か紙類はないの?)しかも・・5$。目の前のメニューでカレーは3.5$、缶ビールは1$で計4.5$じゃないの?(ま〜旨かったのでリンカーン札を渡すと、小さな声で「サンキュ」と合掌したのだった。(・・・、インドのことだから喜捨も含めて請求したのだろうか?(それとも税金?・・・。(ごちそう様でした。
(・・・腹が塞がればいいんです。