いい加減に

一月以上も「一つような(同じようなという方言)旅」を書いてくるとさすがに飽きますね。(・・・、)再びベトナムへ着いたところで休憩します。
「旅」ばかり書いていておまえは何屋だとそろそろ云われるので、本業(かもしれない)の中の本業でない「店舗リニューアル」の建築現場を一つ。今日から「美容室の解体」が始まりました。「ビフォー・アフター」の如く、「盛大に解体」とはいきませんが、(あれはドラマですので)静かにシャンプー台(洗面器)の撤去から始まりました。しかしその前にやらなければならないのは、「引越し」です。膨大な備品や業務用品に資材、資料、装飾品。「建築現場」を空にするのは一仕事なのです。(スタッフの皆さんは休日出勤です。(もちろん僕もです。(監督ですからww・・・仕事しろ。
「設計屋」は図面上で、「○○を撤去の上〜貼り」なんて簡単に記載しますが、この「撤去」が簡単ではありません。テレビドラマのように華麗にはいかないのです。「改修工事」というのは、「壊してみないと解らない」ことが多分に発生するのです。例えば「ビニールクロス」も接着がよいと剥がれません。表面のビニル樹脂のみが剥がれるか、下の石膏ボードの表層も一緒に剥がれてしまうかなのです。「古くなった紙のシール」を剥がすようで、少しづつしか剥がれず、気の遠くなるような作業です。(ご苦労様でございます)
予算上とはいえ、(本当は予算上ではない)なるべく既存のものを再利用したいと考えがちですが、「現場の本音」とすれば、「取り替えた方が手っ取り早く安い」のです。「ドラマ」では「匠」が以前使っていたものを上手く利用してくれました(なんということでしょう!)なんてことになりますが、実際は、「手間とお金」がかかり、しかもその「かかるお金は頂けない」という理不尽な構造を招きやすいのです。これはリサイクルと同じで、「再利用=善事」というイメージ上だけの、古いものを捨てませんでしたという「倫理的によいだけの行い」とも云えます。しかし、デザイン上で新しくするより、「以前のデザインが新しい価値を生み出すことが出来る場合」のみ、手間とお金をかけてでも再利用することの意義は存在すると思います。(ちょっと難しい表現でしたが、ここにこそ設計屋の腕の見せ所があるでしょう。もちろんクライアントの「大事なもの」などは、それを再利用することで見栄えを多少欠いても、「価値ある空間」が完成するのです。(はたしてこの現場や如何に
(何れも工期内に無事完成してくれることを祈念するのみです。(ナマステー。