残すデザイン

新しく美しくするという改修工事の手法の一つに「残すデザイン」もある。
最近の「リサイクル」という「無駄だけど倫理的によい行い」の如く、建築でもお金や手間を新しくするより掛けてでも(古いものを再使用することは「安い」ことではない)、そこに「再利用」という響きのよい(省資源的善行)デザインは存在する。しかし、古いものを上手く利用した「民家風や旧の生活感を残した懐古デザイン」のことではなく、『残すデザイン』とは、新しくなった空間にあえて「以前のもの(ほぼそのまま)」を残し(使用し)、デザイン的類似は追求しない「リサイクル的な意味合いのみのデザイン」のことである。これは「隠すデザイン」とは逆の手法で、「再利用を見せる」ことでその意図を隠さず、またその価値観を高めることにより、クライアントの心までデザインしてしまうのである。(「もったいない」人にはこれがよく効く)
ただ、新しい中に旧スタイルを混ぜ合わすので、「使い方(デザイン)レベル」は高いです。また、新しくするより「手間ばかりでお金がとれない」ため、施工者には不評というオマケ付きです。(リサイクルも同じ
(創作活動も所詮人間関係のデザインという訳です。(むずかしい・・・、