女優が覗いたインド

女優の中谷美紀さんが、2005年の夏から半年の間に四度(一回の旅は約一か月)もインドへ旅していたことを知り驚きました。彼女曰く、「嫌われ松子の一生」という映画を撮り終えた後のどうにもならない程の無力感(アイデンティティーの喪失)が原因らしいのですが、ひとりの女性の流転の人生を演じたことを「簡単に忘れてしまう程の強烈な場所」に行かなければならないと奮起し、飛行機に乗ったというのです。
ところがいざインドに足を踏み入れてみると、想像を遥かに超えるハプニング続きで、たかだか波乱の人生を演じたくらいで疲れたなどと云っていられない程の、無秩序と非常識が氾濫する壮絶な世界の洗礼を受ける羽目になったようです。
マハラジャ、サリーに身を包んだ美女、ターバンを巻いた屈強な男、瞑想するサドゥー、ガンガー、のら牛、かわいい物乞い少女、悪臭、汚わい、ゴミだめ、貧困。彼女はこの何でもありのスーパーカントリーにすっかりハマってしまったようです。この独り旅を機に大女優への道を歩き始めることになったのは云うまでもありませんね。
(やはり鍵はインドにあった訳です。