京都へ・・

二日目の朝はホテルの朝食時から不慮の出会いが・・
他に空席がたくさんあるのに、隣に腰を下ろしてきたのはいかにも旅慣れした高齢のマダムです。「外国の方ですか?」と声をかけるのが、ヨン様男性(自分で云うな)に近づく彼女流の手らしいのだが、次から次へ話題を振りまくので出発時間が迫ってきてしまった。早々に辞退させて頂いたが、予定外のスケジュール入りも独り旅の醍醐味とはいえますね。
7時44分発の京都行きにぎりぎり乗車です。(丁度その頃富士の麓では震度5弱地震に見舞われていたことは知る由もなかった・・)今日は土曜日で昨日のようなラッシュもなく、朝読書も楽しめました。
8時半頃までに京都駅を目指したのはもちろん早く龍安寺に辿り着きたかったからです。路線バスなどほとんど乗ったことのない桜井にとって京都のバス網はかなりヘヴィーであり、目的のバスに辿り着くためそれなりに余裕をもった訳です。市バス、洛バスの番号ばかりに気をとられ、竜安寺前を直接通るJRバスをすっかり見落としていました。結局9時発の5分程前になって高雄・周山方面バス停の前に立ちました。(駅の目の前・・。これに乗ると9時29分に竜安寺前着です。
今回の旅の京都での目的の地ともいえる「龍安寺」です。「枯山水(虎の子渡しと称される)」で有名な白砂を敷き詰めた中に石を配しただけの極端なまでに象徴化された石庭は、見る人に解釈をゆだね、禅の極致を表現しているという意味で厳寒の中、独り自問自答するに最もふさわしいところとしてここを訪れることとしました。もちろん用意してあるスリッパなど履きません。冷えた板張りの上で胡坐をかき(さすがに座禅は恰好つけすぎですので・・)、1時間以上その場に座してみました。「午前中滞在」といった手前密かに彼の人を待つことで、白い庭の向こうにその姿を追ってみた訳です。
正面の壁面にポケットに手を入れたパーカー姿の歩く男性は、土壁の質の違いから出来た自然のヴィジュアルでしょうか。肩を落としたその姿は、無になりきれない自覚を通してさまよっている己を映したようにも見えました。

竜安寺、一度ではまだまだ見えてきません。