ファーストキャビン

今宵の宿はカプセルホテルです。といっては申し訳ない空間で、コピーは「飛行機のファーストクラスをイメージさせたコンパクト・ホテル」なのです。
地下鉄烏丸線「四条駅5番出口(サイゼリアのある出口)」から出て直ぐの裏通りに(徒歩1分)タカノハスクエアというビルがある。ここの4階をフロントとするエリアにこのデザインされた空間は存在します。冷やかなまでに装飾性を取り去った「サイエンス施設」を彷彿させるインテリアで、ミステリで云えば「すべてはFになる」でしょうか・・。室内は白と黒のペンキ仕上げ、「柄もの」は一切使われていない。ドアは枠なしで壁の切れ目が隠ぺいされ、廊下などは入口の判別が難しく、袋小路に入ったような感覚に陥ります。(避難面では少々難がありそうですが)
キャビン(客室)にはファーストクラス(4.2㎡)と、ビジネスクラス(2.5㎡)があり、ビジネスクラスのほうは一般的なカプセルホテルを少々広くしたサイズですが、ベッドの上で立上ることが出来る高さがあります。しかしキャビンは避難の点から施錠することが出来ないため、ロールスクリーンのみの仕切りとなっています。逆にそれが「機内」という空間を演出しているともいえます。(通路を含んだエリアの入口ドアはロックされるので防犯性はあります)
サニタリールームは白一色、無機的な味気なさこの上なし、シャワールームは黒いキャビンで、ミラーはステンレスの鏡面仕上げというスパルタンなデザインです。館内(機内)は夜間飛行中の如く静寂で、人の気配の少ない点もどこか「研究棟」をイメージさせるのです。

(あなたもインシテミますか?