たたき台をつくる

僕はクライアントとの最初の打ち合わせに「第一のプラン」を提案することにしている。なぜ会う以前にプランニングを?と思われるかもしれないが、「打ち合わせ」では住まいに対する夢や希望などの聞き取りが主になる訳で、その場合「白紙」の状態では絵空事ばかりで具体的な要望がなかなか見えてこない。クライアント側もまた意図を伝え難い。そんな訳で相手の家族構成などから一方的に「たたき台」をつくることに。姿があると人は良し悪しをつけやすい。しかもクライアントは会う以前に大まかな要望を口にしている場合が多く、言葉にするイメージは大まかなデザインを考える上でも、全くの身勝手なプランにはならない。(と思う・・)設計の中で最も彫刻家的な業務の段階であり、ある意味最も意義ある時間かもしれない。
一番の狙いは初めて会う際にプランが出来ていると、こちらのやる気やモチベーションの高さを理解して頂けることだ。上手くいくと最初の案で概略決定してしまう場合もある。また、たたき台をつくる真の役所はクライアントとの相性や波長の度合いを見るためのテストみたいなもので、クライアントにこそやる気を起こさせるための起爆剤ともなるのです。
(〜なので少々お時間を頂きます。