エコに建てる・・

まずは配置から・・
敷地の形状に合わせて家をつくり、余ったところに木を植える。・・これでは設計者失格ですね。
その地において最大限自然の力を享受できるように、建物の形状、配置、空地、緑地を当初から計画する必要があります。エネルギー授受の要である温熱環境に最も作用するのは日照なので、夏の遮熱、冬の熱供給から建物配置(形)は「東西に長く南北に短く」が基本です。これは北東から上り北西に沈む夏の太陽の東日・西日の暑さを抑えることと、南を通る冬の太陽の暖かさを出来るだけ長く取り込むためです。(南北に長い敷地の場合は、形状や開口・仕上げ等で対応することになります。また建設コストを考えると長方形より正方形の方が有利ではありますが・・)
次が風です。建物の熱を下げる意味では南北通風は必須です。この自然換気も効果的に行うためには自然任せではなく、「風をつくる」ことが大切。風をつくるには建物周囲に温度差が必要ですのでまず北側空地に常緑樹を植えましょう。もともと温度の低い土壌が葉の蒸散作用の水分により、さらに温度が下がります。これで夏でも冷たい部分が出来ます。この温度差で風が生ずるのです。北(低い所)と南に開口をつくることの理由です。もちろんその土地には年中通して吹く地域風(卓越風)があり、その方向に通り抜ける配置や開口も効果的です。しかし風は周囲の環境(建物や障害物等)で左右されるので、あらゆる風向きの対策も必要となりますが・・。
南側は日照調節のため落葉樹を、北側には季節風を防ぐための常緑樹を配置することは温度管理(自然のエアコン)上有効です。機械空調を考える以前に緑地の予算を盛り込みましょう。プラン(間取り)や姿(形)はこれらと並行して計画する訳です。
(環境づくりからエコは始まっています。