桜井のオススメ本

「むかし僕が死んだ家」/東野圭吾
これも過去の書棚からの一冊。
我が子を愛せない主人公沙也加は就学以前の記憶のないことに疑問を抱き、学生時代の恋人に究明を持ちかけるところから物語りは始まるが、この我が子への虐待、幼少期の記憶の欠落とくれば、核心部分は自ずと想像される。
父の遺品の中から見つかった一枚の案内地図。そこには時間の止まった姿の過去を封印したような「白い小さな家」が建っていた。(来ましたね〜〜。でもホラーではありませんよ。
「館もの」家好きとしては、ここまでで十分です。以後物語りのほとんどはこの家の中で進みます。登場人物も元彼と二人のみ。(彼によって語られる形式)この小さなロケーションの中に「恐るべき過去の記憶」が詰まっていたのです。
父はなぜときどきここへ足を運んだのか。この家ははたして何なのか・・・。
(館ものミステリ異色の一冊。

むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)

むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)