巨大なパイプオルガン

「神はお急ぎにならない」として、完成は未定と云われていたサグラダ・ファミリア贖罪聖堂も、現在は工事も急ピッチに進み、ガウディの没後100年にあたる2026年の完成を目指しています。この大聖堂を特徴づけているのは天に向かって伸びる先の尖った4本の塔が並ぶ姿です。これが東西と南にあるため計12本がそびえ立っています。(12使徒を表している)じつはこの塔は鐘楼であり、中に鐘が下がることになっています。東の生誕の門の塔4本には、84本からなる銅製の筒状のブロンズ鐘によるカリヨンが設置され、西の受難の門の塔4本には吹いて鳴らす筒状の鐘、つまりパイプオルガンが設置されます。そして南の栄光の門の塔4本には従来のベル型の鐘が無数に設置され、これらが電気仕掛けの鍵盤で演奏することが出来るのです。そして風が通るようにデザインされたたくさんの多孔質な鐘塔の形は、そのまま音楽のための共鳴装置となり、大聖堂内へ響きわたるのです。
ガウディはバルセロナ中に響き渡る複雑な鐘の音を残していました。つまり、サグラダ・ファミリアの鐘塔は視覚的に神の姿を伝え、聴覚的に祈りを捧げる巨大なパイプオルガンとして創られていたのです。(楽器だった訳です。
(完全完成した暁には必ずこの音色を聴きに行きたいですね。