イスラームのすごさ

先日の男子サッカーで準決勝進出をかけたエジプト戦だが、アフリカ一の技術を持つ強豪チームもあっさり日本に屈した。しかしこの敗因には宗教的な要素が絡んでいたようです。ラマダン(断食月イスラーム暦9月)です。エジプトは敬虔なイスラム国家ですので、代表メンバーもオリンピック期間とはいえ当然戒律に従います。日の出から日没まで一切の飲食を断ちますので、彼らは腹ペコだったんですね。たとえ試合が日没後だったとしても、ドカ喰い直後やイフタール(断食解除食)として順を追った儀式の最中では、食べること以外に集中など出来なかったことでしょう。時期が悪かったとしか云えません。しかしこの食を与えてくれる神に感謝し、貧者の苦しみを理解するという精神鍛錬としての断食を、何ものにも代えて挙行するイスラームという力は何なのか。地球上で12億もの人間が等しい体験をしている訳です。飢えと渇きの果ての食の輝き、命の更新としての行いは、あらゆる苦しみに打ち勝ち、敵意に満ちた社会で生き抜く最も基本的な意識の表れではないだろうか。「アッラーの他に神なし」スポーツの祭典も生きてゆく上ではほんの余興に過ぎないのかもしれません。
イスラーム恐るべし・・