パディントン発4時50分

ミス・マープルシリーズの一つ。
友人のマクギリカディは同方向に進む列車がカーブで接近した際、向いの車輌内での殺人現場を目撃してしまう。その後駅長や警察に報告するのだが翌日になっても事件の報道がなされない。これはどういうことなのか。
出鼻からミステリ感たっぷりに引き込まれるやはりともいうべきアガサ作品。
事件の舞台は広大な敷地に建つ老主人と娘の棲む屋敷へと移され、遺産相続を巡り不穏な動きを見せる家族。なにやら犬神家の一族を匂わすような連続殺人事件へと・・タイトルからは鉄道や時刻表トリックものを思わせるがこれにあらず。多くの男がおとりとして現場に潜入した家政婦に想いを寄せてしまうのは、女史のすばらしいキャストづくりによるもの。
(秋の夜長Novelber?全開