生コン打ちの品質管理

基礎工事の品質管理
最初のベースコンクリートを打った後の表面のひび割れが多いことや、周囲の留め枠がなかったことなどから品質低下の芽は見えていたのだが・・。
円柱型枠打ち込みの際はバイブレーターのかけ方も甘く、型枠を木槌で叩くこともなく、そもそもコンクリートの打ち込み作業を作業員1人で行うこと自体が品質管理を放棄しているともとれます。打ち込み(流し込)、流動調整(振動掛け)、打ち込み量調整(増減作業)、叩き作業(型枠接面の充填補助)、コテ押さえ、養生・・とコンクリートの打設は作業手順が多く複雑です。コンクリートは余剰水分(遊離水)の除去や、気泡の除去、骨材の均等分散補助、早乾燥防止等複雑な管理の下で初めて生成されるもので、ただ型枠に流し込んで「乾燥」すればコンクリートになる訳ではありません。さらには、正しい(密実な)コンクリートを作るには「乾燥」などさせてはいけないのです。コンクリートの硬化と乾燥は別ものです。打ち込み時から水和反応が始まり、珪酸カルシウムの結晶化が進みますが、乾燥してしまうとこの結晶化は止まってしまいます。すると強度の少ない脆いコンクリートになってしまうのです。コンクリート工事は品質管理がシビアな業種ですので、打ち込み時などは本来厳粛さを伴う緊張感があってこそ正しい訳です。
(コンクリートは生き物です。大切に育てましょう。